自家焙煎コーヒーの煎り具合を操る—浅煎りから深煎りまで

2019/11/29

こんにちは! 宮崎ゆうです。自家焙煎連載第4回です。今日も楽しくやっていきましょう!

さて今回は、焙煎度合いを変えてみようという企画です。珈琲豆の味に関して焙煎の影響は大きいと言いますが、それは本当なのか? どのくらい変わるのか? 今日は焙煎具合を実験していきましょう!

これから煎られる豆たち。ちなみに5つに分かれていますが、撮影のために分けただけです。どの山も全く同じ豆です。

焙煎度合いを操ってみる

本日、焙煎に使うのはルワンダ・バフコーヒー・ニャルシザCWSです。豆の詳細は脚注に載せておきます。

じゃん! 5kg! いっぱいあります。

スペシャルティコーヒーを扱っているワタル株式会社さんで購入しました。https://www.specialty-coffee.jp/products/detail/220

というわけで。早速焙煎していきましょう!

(ちょっと休憩)

今日は5回分を一気に焼いたので、さすがに疲れました。笑 台所はチャフまみれだし、疲労で振り方もブレブレです。でも、いいんです。汚れたら掃除すればいいし、疲れたら休めばいいんです。

完成したものが、こちら!

左側から順番に、ミディアムロースト・ハイロースト・シティーロースト・フルシティー・フレンチローストです。良い感じに色が分かれています。

生豆も入れて撮影してみました。いいですね、コントラストが美しい。いい感じにできたんじゃないでしょうか。

焙煎の仕方によって、香りも味も全然違う

さて、テイスティングしていきましょう。今回は5種類を比較するために、新しいコーヒー器具を買ってきました!

じゃん! サイフォンです! 理科の実験道具みたいで格好良いんですが、いまだに洗い方が全然分かりません! 下のフラスコ、どうやって洗ったらいいんですか……!

そんなサイフォンは、しかし今回の実験には必須です。サイフォンは人間の手が入る余地が比較的少ないので味がブレづらいと聞きます。というわけで今日はサイフォンで抽出していきましょう。それぞれ飲み比べていきます!

ミディアムロースト

1ハゼが終わるくらいで焙煎を止めた豆が、ミディアムローストです。一般に扱われている珈琲豆の中では、最も浅煎りのものとなります。もっと浅煎りのシナモンローストと呼ばれる焙煎もありますが、あまり広くは飲まれていないようです。なので今回はミディアムローストからスタートです。

多少ムラは目立ちますが、豆からは香ばしい匂いが漂ってきます。

バナナ、ブナの香り、りんごやレモンのような甘酸っぱさ。いいですよ、レモンティーみたいでかなり美味しいです。

はい、次!

ハイロースト

こちらは1ハゼが終わって、もうしばらく炒った豆です。

どんぐりみたいで、素敵な色です。さっそく淹れてみましょう。

緑黄色野菜の香り。それから焚き火の香りも少し混じっています。味は、ライム、ブドウ、それからキャベツのような、青々としたイメージ。ミディアムローストに比べて酸味は抑えめです。

シティーロースト

たくさんあるので、どんどんいきます。お次はシティーロースト!

抽出してみると、ライム、スモーキー、乾燥した豆の香り。ゴボウ、人参を思わせるどっしりとした甘みがあります。

焙煎度が進むにつれて、少しずつ味に重みが出てきました。

続きまして、

フルシティーロースト

フルシティは2ハゼの最中くらいで火を止めます。これくらいの深い焙煎になると数秒単位で大きく味が変わるので、火から下ろしたらすぐに粗熱をとります。熱が回らないうちにドライヤーで熱を飛ばしてしまうのがポイントです。

フルシティーローストの珈琲は、ハチミツ、木皮、スミレのような重くて甘い香り。酸味系統の香りはほとんど感じられません。

味に苦味が混じってきて、シロップのような重い甘みが前面に出てきます。木炭のような焦げ臭さがありましたが、これはおそらく焙煎技術がまだまだ未熟だからなのかもしれません。やはり深煎りは難しいです。

フレンチロースト

最後はフレンチロースト。これは2ハゼが終わったくらいの焙煎度合いですね。もう少し焙煎を進めると豆が炭化してしまうので、そのギリギリを狙います。実際にはもう1段階深いイタリアンローストもあるのですが、ルワンダの豆には(たぶん)合わないので今回はフレンチローストで打ち止めです。

淹れてみると、まずオイリーな印象が先行します。香りを嗅いだだけなのに、鼻腔にねっとりまとわりつくかのような。それでいてハチミツやクリームのような甘い香りが鼻に入ります。嫌いじゃないです。

飲んでみると、キャラメルのような重い甘味、それから木の皮を噛んだような強い苦味とえぐ味。焦げ臭さも多少あります。これは、ちょっとしんどい、かもしれません。深煎り、難しいですね。

焙煎による変化の一覧まとめ

いかがでしたか?

記事に写真が多かったので、少し長くなってしまいました。というわけで煎り具合による違いが分かるように、1つの図にまとめてみます。

どうでしょうか。これらは全て、1種類の生豆によるものです。焙煎方法だけで、これだけのバリエーションを生むことができます。もはや別の豆のようですね。

ちなみに私はミディアムローストが一番好きでした。甘酸っぱさが朝の一杯にぴったりです。まるで紅茶を飲んでいるような、不思議な感覚がたまらなく愛おしいです。逆に深煎りだとルワンダの個性が出なくなってしまって、少し物足りなく感じました。あと、さすがに腕は疲れました。

みなさんも自家焙煎で、好みの焙煎を探してみてはいかがでしょうか。以上、宮崎ゆうがお送りしました! 次回をお楽しみに!

* ルワンダ・バフコーヒー・ニャルシザCWS(コーヒーウォッシングステーション)について説明します。ルワンダの南西部にニャルシザという土地があります。このコーヒー豆はそこから来ています。ニャルシザは、ルワンダ第二の都市ブタレから相乗りバスに揺られて1時間くらいのところにあります。

ブタレの光景です。ここからバスで1時間ほど。

こういう景色を延々と眺めながらニャルシザに向かいます。

私もニャルシザは何度か訪れましたが、赤土にまみれた平和な土地でした。そして、そこに「バフ」という名前のコーヒーの精製所(ウォッシングステーション)があるそうです。ちなみにニャルシザは標高は1,700m台です。ルワンダの中では平均やや高めくらいで、ずば抜けて高いわけではありません。それでもコーヒー栽培には十分な標高ですから、ルワンダは全域がコーヒー栽培に向いているんですね。ちなみに今回の豆は、品種はブルボン、精製方法はフリーウォッシュドでした。

この記事の著者紹介

宮崎ゆう
宮崎ゆう
平成生まれのフリーライター、宮崎ゆうです。大学院修了後、民間企業勤務を経て独立。コーヒーと日々向き合い、コーヒーの記事を書いています。直近の目標はコーヒーを極めるためにエチオピアに行くこと。
カテゴリ:コーヒーコラム
| 投稿日:2019年11月29日 |
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