コーヒー豆の種類を選ぶ、一歩進んだコーヒーの楽しみ方

2019/08/16
Waiter in black apron stretches a cup of coffee with cream in hands.

喫茶店に入って「ホット」と頼めば、ブレンドコーヒーが差し出される。そんなシンプルなコーヒー体験もなかなかよいものです。

コーヒー好きにとってさらにうれしいのは、さまざまな種類のコーヒーの中から好みの一杯に出会うこと。

コーヒー豆の違いを知れば、コーヒーの楽しみ方はもっと広がるに違いありません。一歩進んだコーヒーの楽しみ方をご紹介しましょう。

品種と産地で選ぶシングルオリジンのコーヒー

ブレンドコーヒーとの違い

最近注目されている「シングルオリジン」のコーヒー。

シングルオリジンとは、コーヒーの品種や産地が明確でトレーサビリティに優れたコーヒーのことです。

喫茶店などで特に銘柄を指定しないコーヒーの多くは、複数種類のコーヒー豆を配合したブレンドコーヒーです。

ストレートコーヒーとの違い

ブレンドされていないコーヒーとして「ストレートコーヒー」があります。

これに対して「シングルオリジン」は、さらに詳細な生産地などの情報、栽培された農園や標高、品種、精製方法まで特定できる、トレーサビリティに優れたコーヒーのことです。

たとえば、人気の高い「モカ」は、イエメンのモカ港から出荷されたコーヒーの銘柄です。実際には近隣の複数の国や農園から集められたコーヒー豆が混じっていました。「モカ」についてもシングルオリジンでいうと、イエメンやエチオピアなどの生産国や農園、品種などによって複数のコーヒーに分かれるのです。

シングルオリジンが注目されるわけ

コーヒーは農産物です。品種や生産地、作り方などによって、コーヒーの味わいは違ってきます。

より個性的でおいしいコーヒーを求めて、一杯のコーヒーの品種や産地がどんなものであるかが特定できる高いトレーサビリティが求められるようになりました。ワインのように、コーヒーにおいても、生育環境が風味に与える「テロワール」の違いが注目されるようになったのです。ワインと同様コンテストの開催も、シングルオリジン・コーヒーの人気に拍車をかけました。

シングルオリジンのコーヒーが手に入るようになって

・パナマゲイシャ種のジャスミンのような香り

・ケニアの力強い酸味

・インドネシアマンデリンの大地の香り

など、品種や産地によってコーヒーそのものが持つ豊かな個性の違いを味わえるようになったのです。

店の個性が表現されるブレンドを選ぶ

ところで、シングルオリジンの出現によって、ブレンドの価値はもはや下がってしまったのでしょうか。

いいえ、ブレンドも新しい価値を提供し始めています。

単体ですばらしい風味のシングルオリジンを絶妙に組み合わせたブレンドは、複雑かつ重層的な味わいを作り出すのです。

とはいえ、個性的なシングルオリジン同士の配合には高度な技術が必要です。

個性がぶつかりすぎると、ブレンドの風味は1+1が2未満になってしまうかもしれません。単体でもおいしいシングルオリジンをブレンドする価値は、1+1=2ではなく2を超えるおいしさが作り出せるところにあるのです。

シングルオリジンだけでは味わえない新しい味わいを提供しているブレンドは、その店の個性を表現する商品と言ってよいでしょう。

店名を冠したブレンドがあれば、それから試してみるのもお勧めです。その店が最も表現したいコンセプトが伝わってくるに違いありません。

好みのローストポイントを探す

コーヒー好きは、どうやら深煎り派と浅煎り派のどちらかに分かれるようです。

そうしたことからも、「ローストポイント(焙煎度合い)」の違いでコーヒー豆を選ぶ人も多いでしょう。

コーヒー豆には、焙煎によって独特の香ばしい香りと味が作られます。同じコーヒー豆でもローストポイントが違うだけで、別のコーヒーかと驚くくらい風味が違うものになります。

一般的に、浅煎りだと酸味が強く、深煎りだと苦味が強くなり、中煎りだとバランスが取れた味になります。他にも、中深煎り、極深煎りなど、さまざまなローストポイントのコーヒーが売られていることがあります。

数分から20分程度の焙煎の間には、無数のローストポイントがあるといえます。コーヒー焙煎士は、そのコーヒー豆の個性を引き出すのに最も適したローストポイントを見極めて焙煎を行うのです。

最適なローストポイントを探るため、ひとつの品種で複数のローストポイントのコーヒー豆を提供している店は多くはありません。

しかしコーヒー豆には、浅煎り、深煎りそれぞれで特徴的な味わいを生み出すものがあります。同じ豆なのにローストポイント違いというコーヒーに出会えたら、ぜひ香りや味の違いを利き分けてみましょう。

ちょっとマニアックに精製方法で選ぶ

トレーサビリティに優れたシングルオリジン・コーヒーには、コーヒーの精製方法がわかるものもあります。

コーヒーの精製とは、コーヒーの実からタネを取り出すまでの処理のことです。私たちが「コーヒーの豆」と呼んでいるものは、サクランボのような赤いコーヒーの果実から、コーヒーのタネを取り出したものなのです。

精製方法には、大きく水を使って洗い流す方法(ウォッシュド)と、水を使わない方法(ナチュラル)があり、その中間の方法も複数あります。

元来、水の有無や天日干しできるスペースの広さなど、精製する土地の事情によって精製方法が選ばれていました。

しかし、その精製方法によって、最終的なコーヒーの風味にも違いが出ることがわかってきたため、最近では作りたい風味に合わせて精製方法を選ぶ産地も現れてきました。

一般的に、ウォッシュドはすっきりとしたクリーンな味わい、ナチュラルは甘さの強い味わいになる傾向にあります。

もし精製方法がわかるコーヒー豆に出会ったら、その違いが感じられるかどうか、ちょっとマニアックに試してみてください。

選ぶ楽しみが広がる、さまざまな種類のコーヒー豆

コーヒーの種類を細かに知らなくても、おいしいコーヒーに出会う喜びを感じることはできます。

コーヒー豆にさまざまな種類と風味があることを知ると、選ぶ楽しみがさらに広がっていくことでしょう。

たった一杯のコーヒーがあなたの手元に届けられるまでの長い道のり。

そのストーリーに思いを馳せながら、さまざまな種類のコーヒー豆がもたらしてくれる風味の違いをじっくりと味わってみませんか。

カテゴリ:スタッフのコーヒーライフ
| 投稿日:2019年08月16日 |
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