豆から挽けるコーヒーメーカーで「香りを聞く」

2019/08/12

コーヒーの楽しみは、その独特の「味」に加えて「香り」を楽しむことにあります。

一般的なコーヒーメーカーでは、コーヒーの「粉」を入れてドリップ(抽出)するものが多いようです。

もし「豆」から挽けるコーヒーメーカーがあれば、豆を挽いて粉にする段階で立ち昇る香りも楽しむことができます。

実はコーヒーの香りは、豆を挽いているときにこそ最も強く香るのです。

豆から挽けるコーヒーメーカーで「香り」の楽しみを広げてみませんか。

コーヒーの香りは焙煎によって作られる

焙煎する前のコーヒー豆は「生豆」と呼ばれています。生豆とは、コーヒーの実から取り出して乾燥させた種子のこと。見た目は淡い緑がかった灰色です。

実は、焙煎する前のコーヒーの生豆にはほとんど香りがありません。あのコーヒーの独特の香りや味は、焙煎によって生まれるのです。

焙煎過程や焙煎度合の微妙な違いによっても、コーヒーの香りは違ってきます。一般的にコーヒーの香りや味について

  • 焙煎前半に、酸味
  • 焙煎中頃で、甘みやコク
  • 焙煎後半に、苦味

が作られていきます。

コーヒーの焙煎士は、どのような香りや味のコーヒーを作りたいかによって、焙煎過程や焙煎度合を調整するのです。

自家焙煎店などで、同じ種類のコーヒー豆を焙煎度合の違いで売っていることがあります。興味のある方には、その違いを試してみることをお勧めします。驚くほどの香りの違いに気づいたとき、コーヒーの奥深さの一端に触れることができるでしょう。

多様で複雑なコーヒーの香気成分

コーヒーの生豆に最も多く含まれていている成分は、繊維質や糖質などの炭水化物です。生豆の50%強を占めます。次いで多いのが、タンパク質(11〜13%)、脂質(12〜18%)、クロロゲン酸(5.5〜8%)、ショ糖(6〜8%)です。

*数値は、全日本コーヒー協会「コーヒーの成分」より http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/facts

コーヒーの香りや味の元となる成分の主なものは、タンパク質、クロロゲン酸、ショ糖です。脂質はコーヒーの香りを保つ役割を果たします。カフェインは生豆に1%程度しか含まれていませんが、コーヒーの苦味や香りに影響を与えます。焙煎における複雑な化学反応によって、こうした香りの元となる成分からコーヒー独特の香り(香気成分)が生成されます。

コーヒーの香気成分は、現在確認されているもので約950種類あるとされています。

  • 香ばしいコーヒーらしい香り
  • 焦げたような甘い香り
  • 酸味が感じられるミルクの香り
  • 花やフルーツの香り

などの多様な香気成分が、コーヒーの焙煎豆の中に作られるのです。

豆を挽くときにこそ広がるコーヒーの香り

焙煎豆に作られたコーヒーの香気成分は、豆を挽いて粉にする際に豆の外に広がります。コーヒーをドリップする際にも心地よい香りは漂いますが、実はコーヒー豆を粉に挽くタイミングの方が、強い香りが一気に立ち昇ります。コーヒーの香りを楽しみたいなら、飲む直前に豆を挽くことをお勧めするのは、このような理由からなのです。

さらにコーヒー豆を挽いている自分だけでなく、同じ空間を共有する誰もがその香りを楽しむこともできます。豆を挽くというひと手間が、コーヒーの香りの楽しみをさらに広げてくれるといえるでしょう。

コーヒーの香りの驚くべき効用

コーヒーの香りは、人にさまざまな効用をもたらしてくれます。

面白いことに、真逆ともいえる効用があるとわかっています。

ひとつは「癒しの効用」。

コーヒーの香りを嗅ぐとα波が多く出て、ストレスを緩和し、リラックスした状態になるというものです。コーヒーの香りに満たされた喫茶店のドアを開けたとき、1日の仕事が終わり自分だけの時間を楽しもうとコーヒーを淹れたとき、コーヒーの香りにはたしかに癒しの効用があると実感します。

もうひとつは「集中力を高める効用」。

リラックスとは逆ともいえる効用ですが、勉強や仕事をする際にコーヒーがあると集中できたという経験をお持ちの方も多いでしょう。コーヒーを手元に置いて何かに没頭しているとき、喉を潤すための飲料としてよりも、漂う香りが私たちの集中力に作用しているのかもしれません。

こうした効用の違いは、コーヒー豆の種類や焙煎の違いによって現れるようです。実験結果や私たちの経験から、たしかに両方の効用がある、とわかっているものの、香りの世界は複雑で科学的にまだ判明していないことも多いのです。

また、香りの感受性も人によって差異があるでしょう。

自分にとってどのコーヒー豆の香りがどのような効用をもたらすのか。コーヒーの香りの不思議な効用はそれぞれが探ってみるというのも、コーヒーの楽しみ方のひとつかもしれません。

挽くときに「聞く」コーヒーの香り

ところで、日本古来の香道では、「香りを聞く」といいます。

コーヒー豆の香りを嗅いで楽しむことも、「香りを聞く」という所作に通じるところがあるように思います。

挽きたてのコーヒーの香りを胸いっぱいに吸い込んだ後、香りは鼻からゆっくりと抜けていく。「これは何の香りだろう」と考えてみる。

「香りを聞いている」時間は、慌しい日常から一瞬切り離されて、ゆっくりと流れることでしょう。

ぜひ、コーヒー豆を挽いているときの「香りを聞いて」みてください。

豆はミルで挽くのもよいですが、豆から挽けるコーヒーメーカーならより手軽に「香りを聞く」ことを楽しめます。

その香りは、あなたをコーヒーのさらなる奥深さへといざなってくれるはずです。

カテゴリ:スタッフのコーヒーライフ
| 投稿日:2019年08月12日 |
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